オーケストラのトライアングルの人
オーケストラを聴きに行ってたまに思う事。
トライアングルの人は、曲によっては数回しか出番が無い。
まあ打楽器全般を受け持つ事が多いのであれですが、
我々も小学校などで馴染んだ楽器であり、
素人考えだけど、あれくらいなら俺にもできるんじゃないの?などと思ったり。
それはさておき、すみだトリフォニーホール/小ホールの
室内楽に行ってきました。
Season Concert
http://www.bflat-mp.com/season/season5.html
F.メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲第2番 作品66 ハ短調 から第1、2、4楽章
(ピアノ/ヴァイオリン/チェロ)
N.ウエストレイク: OMPHALO CENTRIC LECTURE
N.J.ジブコビッチ: TRIO PER UNO
(打楽器3重奏!)
サン=サーンス: デンマークとロシアの歌による奇想曲 作品79
J.M.ダマーズ: 四重奏
(フルート/オーボエ/クラリネット/ピアノ)
室内楽で一番好きなのはピアノ/ヴァイオリン/チェロの三重奏、
ハーモニーの中でミニマムな構成です。
メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲第2番は、
癒しと狂気の狭間をすり抜けて行くような感覚。
手が15本くらい必要に感じるピアノ、
神経質な、それゆえ神経の行きとどったヴァイオリン、
低音を受け持ちつつも華のあるチェロ。
打楽器3重奏は、いわゆる練習曲チックな、
聴くとそんなに面白くない曲かと思ったら大間違い。
ウエストレイクはマリンバ3重奏、
同一の楽器を並べながらもグルーブ感すら感じる演奏。
ジブコビッチの第一楽章、
三人のセンターに打面が水平に置かれたバスドラム、
そして120度の感覚で周りを囲むスネア三台。
それを三人で叩いて行く。
同じリズムで、または徐々に変化して。
徐々に力強く叩き付けるように、恐ろしい速さで。
なるほど、本職の打楽器奏者のリズム感を見せつけられる。
普通のオケだとリズムを外すわけないので、
逆説的に、それがどれだけすごいのか、素人目には理解しずらい。
恐ろしい速さの連打でリズムを刻む。全く崩れない。
BPMという共通言語だけで、ここまで合わせられるのだ。
オーケストラの曲の中で、一回のトライアングルしか出番の無い奏者がいても、
その価値を十二分に理解することになるだろう夜でした。
彼らは何億回何兆回演奏したとしても
必ず完璧な演奏をするのだ。